「金時計」(泉鏡花)
若き鏡花の心意気が感じられる 「金時計」(泉鏡花)(「泉鏡花集成1」) ちくま文庫 拙者昨夕散歩の際此辺一町以内の草の中に金時計一個遺失致し候間御拾取の上御届け下され候御方へは御礼として金百円呈上可仕候あーさー、へいげん...
若き鏡花の心意気が感じられる 「金時計」(泉鏡花)(「泉鏡花集成1」) ちくま文庫 拙者昨夕散歩の際此辺一町以内の草の中に金時計一個遺失致し候間御拾取の上御届け下され候御方へは御礼として金百円呈上可仕候あーさー、へいげん...
感じるのは、執拗なまでの「二重構造」 「眉かくしの霊」(泉鏡花)(「泉鏡花集成6」)ちくま文庫 「眉かくしの霊」(泉鏡花)(「百年文庫090 怪」)ポプラ社 「旦那、旦那、旦那、提灯が、あれへ、あ、あの、湯どのの橋から、...
泉鏡花は日本ミステリ界の先駆的存在 「活人形」(泉鏡花)(「泉鏡花集成1」)ちくま文庫 病院に駆け込んできた男は、何やら毒を盛られたらしい。探偵・倉瀬泰助は、鎌倉の赤城家で起きている家督の乗っ取り騒動と美人姉妹の生命の危...
またもや妖怪と人間の恋物語 「天守物語」(泉鏡花)(「泉鏡花集成7」)ちくま文庫 播州姫路白鷺城の天守閣には、美しい妖怪が棲んでいた。ある日、鷹狩りに出て鷹を失った城主は、その責任を若き侍・図書之助に言いつける。図書之助...
妖怪はかくも美しい 「夜叉ヶ池」(泉鏡花)(「泉鏡花集成7」)ちくま文庫 僧侶・山沢は、消息不明の友人・萩原と、三国岳の麓の村で再会を果たす。萩原は山沢に、この地に住み着いたいきさつを語る。彼は龍神との約束を守っていた老...
時代劇とは一味も二味も違います 「海神別荘」(泉鏡花)(「泉鏡花集成7」)ちくま文庫 海の底の琅かん殿では、 海神の世継ぎである公子が、 妻となる美女の到着を待っていた。 美女の父親は 海神からの貢ぎ物に目がくらみ、 娘...
イラストの表現する世界を楽しみましょう 「外科室」(泉鏡花)(絵:しきみ)立東舎 またまた出ました。 立東舎の「乙女の本棚」シリーズ、 これで9作目となります。 泉鏡花の「外科室」とは、 またもや意表を突いたチョイスです...
鏡花の言葉の刃針が、切れ味鋭く迫ってきます 「外科室」(泉鏡花)(「泉鏡花集成1」)ちくま文庫 前回、本作品を取り上げ、 「究極のロマンチシズムとも言うべき 筋書きとともに、 贅肉を極限まで削ぎ落とした 鏡花の鬼気迫る文...
「滅び」の何という美しさよ! 「外科室」(泉鏡花)(「泉鏡花集成1」)ちくま文庫 友人の医師・高峰の手術を 見学する画家である「私」。 手術が始まろうとするが、 患者である女性は、 麻酔剤を打たれることを頑なに拒む。 「...